めっきの記号による表示方法
めっきの記号による表示方法は、こちらを用い、(1)に示す順序による。
ただし、当分の間、(2)に示す順序によってもよい。
なお、特に表示の必要がない記号は、省略してもよい。
(1)
注
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電気めっき又は無電解めっきを表す記号。ただし、電気めっきと無電解めっきによってめっき層が構成されている場合には、最終めっきを表す記号。 |
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ハイフン |
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斜線 |
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多層めっきの場合には、素地に近いめっきの構成の順に左から右へコンマを付けて順に表示する。
電気めっきと無電解めっきとによって構成されている場合で、注の記号と異なるめっきでは、めっきの記号の前にそれを表す記号をハイフンを付けて表示する。 |
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コロン |
例1: |
Ep-Fe/Cu 20,Ni 25b,Cr 0.1r/:A
(電気めっき、鉄鋼素地、銅めっき 20μm以上、光沢ニッケルめっき 25μm以上、普通クロムめっき 0.1μm以上、腐食性の強い屋外での使用) |
例2: |
Ep-Fe/Zn 15/CM 2:B
(電気めっき、鉄鋼素地、亜鉛めっき 15μm以上、有色クロメート処理、通常の屋外での使用) |
例3: |
Ep-Cu/Ni 5b,Cr 0.1r/:D
(電気めっき、銅合金素地、光沢ニッケルめっき 5μm以上、普通クロムめっき 0.1μm以上、通常の屋内での使用) |
例4: |
Ep-Fe/ELp-Ni 15,ICr 20/
(最終めっきが電気めっき、鉄鋼素地、無電解ニッケルめっき 15μm以上、工業用クロムめっき 20μm以上) |
例5: |
Ep-Al/Cu 10,Ni 10b,Cr 0.1r/:D
(電気めっき、アルミニウム合金素地、銅めっき 10μm以上、光沢ニッケルめっき 10μm以上、普通クロムめっき 0.1μm以上、通常の屋内での使用) |
(2)
注
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めっきの厚さによる等級を表す記号[4.(5)による]。 |
例1: |
Ep-Fe/Zn[2]/CM2:C
(電気めっき、鉄鋼素地、亜鉛めっき2級、有色クロメート、湿度の高い屋内での使用) |
例2: |
Ep-Cu/Cr[3]/:B
(電気めっき、銅合金素地、ニッケル・クロム系めっき3級、通常の屋外での使用) |
記号
記号は、次による。
めっきを表す記号
電気めっきを表す記号は、Ep又はSPLEとする。ただし、無電解めっきを表す記号は、ELp又はSPLELとする。
めっき厚さを表す記号
めっき厚さは、有効面での最小厚さをμm単位で示した数字とする。
例:Cu 10,Ni 15d,Cr 0.1mp
(銅めっき10μm以上、二層ニッケルめっき15μm以上、マイクロポーラスクロムめっき0.1μm以上)
めっきの厚さによる等級を表す記号
めっきの規格で、めっき厚さによる等級分けを行なっている場合には、等級分けによってめっき記号及び厚さを示す。
例:鉄鋼素地上のニッケルめっきの場合
等級
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記号
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Ni又はCu+Niの厚さ μm
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1級
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Ep-Fe/Ni[1]/
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3以上
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2級
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Ep-Fe/Ni[2]/
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5以上
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3級
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Ep-Fe/Ni[3]/
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10以上
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めっきのタイプを表す記号
めっきのタイプ及びその記号は、表1のとおりとする。
このほか特殊なタイプについては、*3印を付け、注として付記する。
表1 めっきのタイプ及びその記号
めっきのタイプ
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記号
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参考(めっきの種類)
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光沢めっき
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b
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銅めっき、ニッケルめっき、クロムめっき、金めっき、銀めっき、合金めっき など
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半光沢めっき
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s
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ビロード状めっき
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v
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非平滑めっき |
n
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無光沢めっき |
m
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複合めっき |
cp
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黒色めっき |
bk
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二層めっき |
d
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ニッケルめっきなど
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三層めっき |
t
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普通めっき |
r
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クロムめっき
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マイクロポーラスめっき |
mp
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マイクロクラックめっき |
mc
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クラックフリーめっき |
cf
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例:Cu 10b,Ni 20t,Cr 0.5mc
(光沢銅めっき 10μm以上、三層ニッケルめっき 20μm以上、マイクロクラッククロムめっき 0.5μm以上)
後処理を表す記号
後処理を表す記号は、表2のとおりとする。
2種類以上の後処理を行なう場合には、処理操作の順又は素地に近い順に左から右に各記号をコンマで区切って示す。
なお、処理条件を示す場合及び表2以外の特殊な後処理を示す場合には、*4印を付け、注として表記する。
表2 後処理を表す記号
後処理
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記号
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水素除去のベーキング
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HB
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拡散熱処理
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DH
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光沢クロメート処理
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CM1
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有色クロメート処理
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CM2
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塗装
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PA
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着色
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CL
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変色防止処理
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AT
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例:Fe*1/Zn 10/HB,CM1,PA*4
注*1
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めっきに先立ち素地鉄鋼はHAR(応力除去焼なまし)を施すこと。 |
*4
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透明ウレタン塗装仕上げを施すこと。
(鉄鋼素地、熱処理、亜鉛めっき 10μm以上、ベーキング、光沢クロメート処理、塗装) |
使用環境を表す記号
装飾、防食などの目的でめっき製品を使用する場合、その使用環境を表3のとおりに区分し、記号で示す。
これ以外の特殊な環境での使用に対しては、*5印を付け、注として付記する。
表3 使用環境、使用環境条件及び記号
使用環境
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使用環境条件
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記号
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参考
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例
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A
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腐食性の強い屋外環境 |
A
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海浜、工業地域など |
B
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通常の屋外環境 |
B
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田園、住宅地域など |
C
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湿度の高い屋内環境 |
C
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浴室、厨房など |
D
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通常の屋内環境 |
D
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住宅、事務所など |
無電解ニッケルめっきの等級及び記号
a)等級 |
めっきの等級は、表1のとおり、めっきの最小厚さによって7等級に分ける。 |
b)記号 |
めっきの記号は、JIS H 0404による。 |
表1 等級及びめっき最小厚さ
単位 μm
等級
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素地金属
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めっきの
最小厚さ
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参考用途
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1級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金
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3
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はんだ付け |
2級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
5
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防食、
はんだ付け
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3級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
10
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防食、
対磨耗
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4級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
15
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防食、
対磨耗
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5級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
20
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防食、
対磨耗
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6級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
30
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防食、
対磨耗
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7級
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鉄及び鉄合金
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金 |
50
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防食、
対磨耗
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めっきの呼び方
めっきの呼び方は、めっきの種類、素地金属及びめっきの最小厚さ又は等級の順に表す。
例:鉄鋼素地上、無電解ニッケル - りんでニッケル(90%)-りん(10%)、20μm(又は5級)のめっき。
例:鉄鋼素地上、無電解ニッケル-りんでニッケル(90%)-りん(10%)、5級(又は20μm)のめっき
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